映画

『ロングレッグス』はどこが怖いのか、なぜ『セブン』『ヘレディタリー/継承』と近いのか?

『ヘレディタリー/継承』が自分の人生を変えたと言っていいほど好きな映画です。今回、プロ狂人こと平山夢明先生が『ロングレッグス』は「ヘレディタリーど真ん中ダークホラーだ」とレビューしていたので、これは見なければならないと思い、映画館に足を運…

『教皇選挙』のキリスト教美術史、聖書的な見どころ

『教皇選挙』を見て、かなり聖書ベースのストーリー、キリスト教美術史的な表象をなぞっていると思いましたので、見ていて「これはこういうイメージで撮っているんじゃないかな」と気付いたところを挙げたいと思います。制作者は絶対こうしている!というよ…

『関心領域』感想、「無関心」ではなく「頑張って嫌なことから目を背ける不断の努力」

『関心領域』、事前に予想していたのとは少し違った形に直撃しました。自分はエンドロールあたりで吐きそうになったりしたのですが、なんでそうなったのか、つらつら考えたことを書こうと思います。 www.youtube.com ①予告の「無関心という恐怖」はミスリー…

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想、「因習村ホラー」でなく「われわれの側」の邪悪と希望を描いた快作

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』ネタばれあり感想

呪いにより導かれる救済、運命の受容/「ヘレディタリー/継承」

あらすじ 祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻…

映画『マグダラのマリア』/魅力的で呪われてないユダ、伝道師マリア

"Mary Magdalene" FocusFeatures イエスの弟子で復活に立ち会ったとされる聖女マグダラのマリアが主人公の伝記映画。マグダラの地で抑圧された生き方をしていたマリアがイエスと出会い、その死後に教えを広める伝道に向かうまでの物語を描いている。 www.you…

時代劇なのに「野火」より根源的な反戦映画/塚本晋也監督「斬、」(ざん)

フィリピンのレイテ島を舞台に飢餓に襲われる兵士の視点から戦争の不条理を描いた「野火」から4年、壮絶なテーマ性を引き継ついだ時代劇「斬、」(ざん)が公開された。 www.youtube.com あらすじ 舞台は長く続いた太平の時代が終わり、ちまたに「世直し」…

A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー 自分と出会いなおす死(ネタバレ)

画像引用元 http://www.ags-movie.jp/ ホラー映画じゃない ア・ゴースト・ストーリー見てきました。「幽霊の切ない記憶の旅」というコピーだけで見に行く価値があると思ったのですが、想像していたより遥かにスケールが大きく悲しいというより、すべてが腑に…

映画感想「希求としての家族」― 園子温『紀子の食卓』

背中を走る不快感、顔が引きつる様な違和感が、この「食卓を囲む家族」という形から発している。だか、この偽りの食卓の中には、彼らの見出した願いが嘘の役割を通じて語られる。「紀子の食卓」、この4人の囲む食卓には何層にも重ねられた嘘に、それぞれの希…